茶畑からレモン畑へ、未来を繋ぐ女性農家の挑戦

- 「岩本マウンテンゴリラれもん」の望月さんは、岩本山で茶畑を改良し、レモン栽培を大規模に行っている。
- 認定新規就農者制度(※)の認定支援、農作物の保存加工設備購入のための融資相談、商標出願についての助言、販路開拓をBeパレットふじが支援。
※新たに農業を始める方が作成する「青年等就農計画」を市町村が認定し、その計画に沿って農業を営む認定新規就農者に対して重点的に支援措置を講じる制度。
事業者名: 岩本マウンテンゴリラれもん
ラジオ発言者: 代表・農園責任者 望月 綾さん
ラジオエフの「カラー・オブ・サクセス」で放送された、Beパレットふじ相談者のインタビュー内容をまとめています。
(放送日時:令和6年11月19日(火)12:30~13:00)

(ナ)ラジオナビゲーター(左)
岩本マウンテンゴリラれもんの由来と始めたきっかけ
(望)農園の名前になります。私が岩本山で祖父のお茶畑を譲り受けて、お茶の木を抜いて整地して、新たにレモンを植えたのですが、山を開拓していく様子がゴリラみたいだったので、そう付けました。 実際は手では抜けないので、ショベルカーで一本ずつ抜いていく感じです。
(ナ)元から継ごうと思われていたんですか?
(望)祖父のお茶畑は2人で刈るタイプの茶畑だったので、受け継いだ後に1人で作業することが難しかったんです。なので私一人でできる作業のもので何かあるかなと思ったら、レモンが思い浮かんだので、ちょっと植えてみました。
(ナ)軽い感じのお話の仕方になってますけれども、結構な広さですよね。
(望)5反歩、1500坪あります。 最初は1人でしたが、今は仲間が少し手伝ってくれています。ただ、レモンだけではなく、野菜も作っているので、ほぼ1人ですね。
(ナ)よく1人でやろうという気になったなと思うんですけど、その一番の根底にあるものは何でしょう。
(望)元々、私自身が農協に勤めていたので、農業が身近にありました。その中で、耕作放棄地が増えたという話をよく聞いていたので、「うちの茶畑もこのままだと耕作放棄地になってしまう。それは避けたいな。」ということで、今の年齢だったら自分もできると思ってやり始めました。
最初は、一部分だけお茶の抜根をして、ちょっと家庭菜園ぐらいの感じでやるつもりだったんですよ。でもユンボでお茶を抜根し始めたら、もう楽しくなってしまって。気がついたら全部引っこ抜いてました。(笑)
(ナ)でも最初は農協のお仕事をやりながらですよね。
(望)休みの日にちょっとずつ抜いてましたが、ユンボで引っこ抜いて遊んでる感じが楽しかったんですよね。UFOキャッチャーで木を掴んでる感じですね。(笑)

今年が初めての収穫
(ナ)たまたまなんですが、私の実家は静岡の山奥でして、隣の村で茶畑をレモン畑に変えて成功しているところがあります。そこのこともご存知なんですよね。
(望)清沢レモンですね。「ぶっかけレモン」というものが、そのまま食べられる調味料で、醤油を入れればポン酢になったりする商品を一回食べてみたところ、「これだ!」って衝撃を受けました。
(ナ)4年くらい前に抜根から始められて、今年初めて収穫ということは、植えてから実をつけるのに何年かはかかるんですか?
(望)植えた直後に実を付けると、養分が全部実に入ってしまって、木の方が枯れてしまうんですよ。 なので、苗木の時は実を付けずに、3年くらい木を成長させて植えた方が、実は付きやすいです。
(ナ)だから今年初めて実を付けていいよっていう状態まで育ったということですね。今年の収穫はいかがですか。
(望)これだけ実がなるのかとびっくりしてますね。
肥料は、化学肥料・化学農薬を一切使わず、有機物しか使わないというのがこだわりです。そのため、味もちょっとまろやかな感じでできてます。 出荷は産直市とか地元の直売所とかで販売しています。
(ナ)今日はスタジオに、望月さんが作られたレモンをお持ちいただきました。
普通のレモンの倍くらい、アボカドより一回り大きい感じですね。
(望)300か400グラムくらいあります。 今日切りたてのものを持ってきました。
(ナ)私、好奇心と食欲に勝てず、さっき自分で包丁でカットしたんですけど、すごいジューシーで、普通のレモンに比べると果肉が少し淡い色ですかね。
(望)「璃の香(りのか)」という種類なので、日向夏とレモンをかけ合わせた感じの、食べやすい酸味の少ないレモンです。
(ナ)いただいてみます。 レモンだけどかぶりつけますね。レモンの酸っぱいっていう感じではない、食べられるレモン。まろやかって言う言葉はどこかにあるかもしれない。 レモンと日向夏、いいとこどりの感じですね。

ゼロから始めた農業、多くの支援者の存在
(望)今はレモンの他にも、さつまいもやブロッコリー、トウモロコシを育てていますが、トウモロコシは風で全部投げ倒されてしまいました。
(ナ)栽培だったり、品種だったりは、どうやって勉強されたんですか?
(望)JAのセミナー、県がやってる農業セミナーや、あとは近くに農家さんいっぱいいらっしゃるので、そういう方に教わったりしています。
(ナ)そういう話しながらもニコニコして話されてるんですよ。なんか羨ましくなっちゃいますね。
でもやっぱり事業としてやっていくとなると、経営のサポートはBeパレットふじにもご相談されたんですね。
(望)Beパレットふじはとても親身に相談に乗っていただきました。 私は加工品も作りたかったので、農産物を使った加工品を作るにあたってのサポートや、販路拡大の相談をしました。
(ナ)失敗や楽しいことなど、思ってた感じに進んでいますか。
(望)自然相手なので、ネットが倒れちゃったり、虫に食べられたり、獣がいたりはしますが(笑)、もう無理と思ってもみんなが手伝ってくれて助かっています。
失敗することは多々ありますけど、失敗して成功があると思っているので楽しいです。それに、私の作った農産物を美味しかったって食べてくれるお客様がいっぱいいらっしゃることが嬉しいです。
今までは農家さんとつながりというのは表面上のものしかなかったんですけど、自分がいざ農業をやってみて農家さんの苦労も知りました。今後は一緒に所得が向上できるように、B品も使って加工品を作って、地域起こしもやっていきたいなぁと思っています。 レモンはドライフルーツや冷凍レモン、シロップとかを作って販売していきたいですし、その他の富士市の美味しいフルーツを使ってドライフルーツにしたり、野菜は乾燥野菜にしたり、いろいろしていきたいです。

望月さんにとってのサクセスとは
(望)私の作った野菜とかレモンを食べていただいて、みんなが笑顔になる。 それがサクセスだと思います。
(ナ)ご自身が作った加工品が出回るのはどのくらい先なイメージですか?
(望)来年か再来年にはやりたいですね。
(ナ)私もいただきました美味しいレモンは、岩本山の産直市でこれからまだまだ出てきます。SNSなどの発信もなさってますのでぜひご覧ください。
事業者情報
岩本マウンテンゴリラれもん
事業内容 | 岩本山でのれもんや農作物の栽培・販売 |
https://www.instagram.com/gorilemon/ |
※ラジオエフとは、富士・富士宮地域限定で放送を行っているコミュニティFM。毎週火曜日のお昼の時間帯は、全国や地域のビジネストピック・ニュースを取り上げながら“働く”を考えるビジネス情報番組「カラー・オブ・サクセス」を放送しています。様々な成功のかたち、それぞれの“カラー・オブ・サクセス”を探す手助けとなるべく、幅広い角度から“働くこと”を掘り下げていきます。
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