「紙の街」富士市を支える創業100年超の鐵工所の経営戦略構築支援

事業概要

本事業では、新たに設置された富士市地域産業支援センターは知財、創業、ICT・DX をはじめとした専門スキルを有する人材を常駐で配置し、地域産業を担う市内中小企業等が抱える経営上の多種多様な課題解決をワンストップで支援します。

また、富士市内外の産業支援機関との連携を積極的に図り、市内中小企業等への伴走型支援や企業間マッチングを効果的に実施します。売上向上といった事業成長や経営効率化だけでなく、起業・創業についても積極的に促進することで、富士市の産業振興および地域活性化に貢献します。

1919年3月創業の百年企業である斎藤鐵工所の経営戦略構築支援

株式会社斎藤鐵工所は、富士商工会議所の会報で「百年企業」として特集記事が組まれる、富士市の製紙産業と地域の雇用を支えてきた企業の一社です。近年は、リーマンショックや製紙業界の環境変化を踏まえ、事業展開に新たな一手を投じる必要性を感じていました。富士商工会議所からの勧めもあり、2022年8月よりBeパレットふじへの相談が始まり、プッシュ（訪問）型支援を行いながら、直近10年間に取引先から依頼された業務内容、売上、利益、対応期間と時期等の細かな経営状況のヒアリングを行いながら、今後10年先までの経営戦略の構築を支援しました。経営戦略に基づき、客先で実際に使用する営業チラシ作成等の具体的な支援を実施し、その結果、今後の取引拡大が期待できる、富士市内の製紙会社2社から新規受注を獲得しました。

支援センター情報

Beパレットふじ

事業内容	・市内の事業者や市内で起業を希望する人を対象に伴走型支援を行う相談窓口である・IT/DX導入、工業系技術に関する相談も積極的に支援する・企業訪問による支援も実施し、多面的に事業者へアプローチしている
所在地	〒417-0058 静岡県富士市永田北町3-3 富士市立中央図書館分館2階
TEL	0545-52-6777
メールアドレス	sangyou-center@ex.city.fuji.shizuoka.jp
ホームページURL	https://be-palette-fuji.com/

企業情報

株式会社斎藤鐵工所

事業内容	・1919年創業（創業100年超）の製紙機械を製作するメーカー・設計、製作、組立の一連機能を有し、既存機械の改造等、製紙会社の各種設備関連ニーズに対応している
所在地	〒417-0051 静岡県富士市吉原5丁目5番7号
TEL	0545-52-5106
メールアドレス	toiawase@saitoiron.co.jp
ホームページURL	https://saitoiron.co.jp/

株式会社斎藤鐵工所のシーズ

百年企業としての安心・信頼の企業（ブランド）イメージ
設計、製作、組立、据付の一連機能を有している職人集団
リーマンショックを乗り越え、近年は収支が安定

経営戦略構築における課題

製紙業界全体の見通しが不透明な状況において、製紙業を主軸として事業を継続することに懸念がある。
営業先から「『斎藤鐵工所』の名前は知っているが、具体的な業務内容を知らない」と言われたことがあり、自社事業の競合優位性が明確でない。
今後10年先への経営戦略を社内で検討している。近年は黒字化を達成しているが、黒字化を安定化させるための戦略を模索している。

本事業の支援によるソリューション

経営分析
- これまで取引先から依頼された業務内容・売上・利益・対応期間・時期を分析
- 富士市内の製紙会社からの受注が減少していることに着目
- 継続した取引先業務の深堀で見えてきた、お客様の隠れたニーズ・提供価値の分析
- →市場が拡大している流通業界向け段ボール製造会社や、コロナ禍において売上を維持・微増させているトイレットペーパー等の家庭紙製造会社等にニーズがあることが判明
経営戦略の基となるペルソナと提供価値を明確に設定、経営戦略の策定
- 段ボールと家庭紙製造の製紙会社をペルソナに設定
- ニーズ・提供価値・競合会社との差別化を可視化
- 飛び地となる新規事業に重点を置いて取り組むのではなく、既に実績を有する段ボールと家庭紙製造の製紙会社へのサービス提供の拡大を経営戦略の軸とし、新規顧客として富士市内の製紙会社から受注を目指す。
お客様に刺さる営業資料の作成
- 「『斎藤鐵工所」名前は知っているが、具体的な業務内容は知らない」と言われていた富士市内のお客様へ、自社の提供価値を可視化させ効果的に発信できる営業資料を作成した。
2件の新規顧客開拓
- 受注が少なくなっていた富士市内の製紙会社から、紙を抄く抄紙機のメンテナンス（ロール研磨、ゴムライニング、ベアリング交換等）業務や付帯設備の改良業務を早速受託し、今後の取引拡大が期待できる新規顧客を開拓できた。